シヴァさまの後継者選び
さて、いろんな事情 はあるものの、兄弟とされるガネーシャさまとスカンダさま。
やっぱり兄弟というものはいろいろあるものです。
ある日、シヴァさまが、そろそろ自分の息子のどちらかを後継者として決めておこうと思いました。
そこで、二人の息子たちを呼び、
「お前らふたりのうち、先に世界を三周した方にオレの国ゆずるわ。」
というかなり投げやりな条件をだしました
この条件。どー考えてもガネーシャさまにとって不利。
スカンダさまはヒンドゥ最強の軍神。日本では韋駄天と呼ばれ、足の速さでも定評があります。
さらには乗り物は空を飛ぶ孔雀。
かたや、ガネーシャさまは知恵と商売の神。ふくよかなおなかはかわいくはありますが、どうみても走るのは得意そうに見えません
そして、乗り物にいたってはネズミ
象がネズミに乗ろうとう時点でムリがあります
それでも、最高神のひとりである父の言うことは絶対です。
スカンダさまは、すぐに孔雀に乗って飛び立っていきました
かたや、がねさま。
ちょっと考えていたと思うと、よっこらしょっとと立ち上がり、両親のまわりをてくてくてくと三周まわって、
「お父さま、お母さま。私にとっては、偉大なあなたがたこそが世界そのものです」
などと、いけしゃーしゃーと言い放ち、それに感心した単純なシヴァさまは、人々が神に祈るときにはガネーシャさまに一番先に祈りをささげるよう決められましたとさ
このときのスカンダさまの気持ちはあまり聞いたことがありませんが、かなり気の毒な気がいたしますです
ということで、今でも神に祈りをささげるときや新しいことをはじめるときは最初にガネーシャさまに祈りをささげることになっていて、お寺の前にはガネーシャ像があります。
仏教のお寺の前にもあったりするので、やっぱり多神教の国はおおらかなんだな~なんて思いますね~